今回の記事では、英語レベル初級者向け(10-220点)の学習法について学会での論文の発表を続けながら、大学や企業向けに英語研修を提供している鈴木武生氏に話を伺った。

 

今回はTOEICスコアが10-220点レベルの人に焦点をあてた学習法について解説する。

 まず最低限しっかり押さえておく必要がある文法項目に、代名詞と不規則動詞の活用がある。多くの人がここで躓く。

代名詞には1人称、2人称、3人称でそれぞれ単数・複数のものがあり、それに主格用のグループ、目的格用のグループ、所有格用のグループがあり、さらにモノの代名詞(これ、あれの単数と複数)、場所の代名詞(ここ・あそこ)があるので頭が痛い。

主格用のグループは[I, you, he, she, it, we, you, they]があり、所有格用のグループには[my, your, his, her, its, our, your, their]があるので複雑だ。英語には日本語にない代名詞の活用パターンがあり、これをしっかり覚えておかないとそれからあとがすべて分からなくなる(実際多くの人がこれを学ぶ中1二学期に英語嫌いになる)。

 次に不規則動詞の活用も面倒だが押さえておきたい。例えば「作る(make)」「走る(run)」「壊す(break)」なら、それぞれ[make-made-made][run-ran-run][break-broke-broken]という活用となる。不規則とはいえその中にもいくつかのパターンがある。実際「言う(say)」はmakeと同じように[say-said-said]と変化し、「取る(take)」はbreakと同じように[take-took-taken]という活用をする。

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 これを自習する場合は『中学英語をもう一度ひとつひとつ分かりやすく』(学研)という書籍をおすすめする。解説が非常に分かりやすく丁寧に書かれているので混乱することがなく進められる。

 その次の段階として、細かい文法項目を押さえる上でもっとも効率的なのは基本例文を暗記することである。こうした基本例文は中学校の教科書にも出てくるものである。

例えば

(1) His father is a doctor. (SVC)

(2) There are no chairs in the room. (存在を示すthere is構文)

(3) He often gives me a gift. (SVOO)

(4) A cat is sleeping under the chair. (現在進行形)

(5) Don't touch it. (禁止命令)

これら基本例文はわずか80(から100前後)であり、これを覚えることでさまざまメリットが得られる。(1)(3)は基本文型という語順パターンの知識を示す。(2)は特殊な語順を持つ構文である(動詞の後ろが意味上の主語)。(4)は時制(時間表現の1パターン)、そして(5)は話者の意思を示す表現の一つである。基本例文はこうしたさまざま文法的切り口を包括的にカバーしており、これらをしっかり身に付けることで、知らないうちに会話、読解、リスニングで基本となる知識を体得できる。

 おすすめの書籍としては前掲の本のほか、『世界一覚えやすい 中学英語の基本文例100』(KADOKAWA)がおすすめである(基本例文100と応用例文400が記載されている)。

 学習のアプローチとしては、その代表的な基本例文を暗記すると同時にそれにかかわる文法単元を理解し、応用例文を作れるようにドリル練習を行うことが望ましい。

 しかしここで終わってしまっては、旧来の英語学習と何ら変わりのないものになってしまう。重要なのはこの過程で「音読」を行うことである(上記の前者書籍には音声CD-ROMが付属されており、後者では音源がダウンロードできる)。これら参考書に出てきた基本例文はできるだけ丁寧に音源に合わせて音読し、できればスマホなどに入れて、日常からそれに合わせて音読練習を行っていることが重要だ。その際注意することは、恥ずかしいからといってカタカナ読みをしないことである。ディス・イズ・ア・ペンのようなカタカナ読みを繰り返すと脳がそうした音しか認識しなくなり、英語の音が聴き取れなくなるので効果がないと言える(TOEICのリスニングで苦労している人は、ほぼこうした過ちを犯している)。

 

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