リモート授業は言うまでもなく、対面授業とは異なります。では、どのような配慮が必要になるでしょう。リモート授業の特徴を把握し、どのように構成したら良いか考えてみましょう。

 

リモート授業のメリット、デメリットは?

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インターネットを介して行われる語学のリモート授業。WEBレッスンとも呼ばれ、近年、かなり広まってきてはいましたが、新型コロナウイルスの影響で、これまでは対面授業を行うのが当たり前だった教育機関でも、リモート授業を取り入れざるを得ない状況になり、大学はもちろん、小中高校でも実施するところが一気に増えました。この間、多くの実践がなされたことで、リモート授業のメリットとデメリットも浮かび上がってきました。まず、それをみてみましょう。

 

リモート授業のメリット

リモート授業の最大の特長は、人と人が同じ空間にいなくても実施できることでしょう。ネットにアクセスできる環境下であれば、場所を選ばず、さらに自分のペースで学習できる非同期型授業であれば、時間の面でも自由度が高いという点がメリットとして挙げられます。

空間と時間が自由ということは、例えば、海外から就職する社員が、入社前研修を自国にいながら日本語研修を受けることが可能になります。WEB会議のようなシステムを併用すれば、クラス形式の授業もできるため、同時期入社予定の複数の人を対象にクラスレッスンを行うことで、入社前から横のつながりを作ることもできます。

講師側も、場所の制約を受けないため、海外にいながらにして世界各地にいる受講生を相手に日本語の講義を行うことも可能です。研修提供側としても、海外在住の優秀な講師に授業を依頼できるというメリットもあります。

他にも、使用するアプリケーションにもよりますが、さまざまな機能やツールを利用することで、資料の共有がしやすくなったり、課題提出もオンライン化することで郵送代などのコストや送付の手間が不要になったりします。

 

リモート授業のデメリット

一方、デメリットは、ネット回線につながらなければ、そもそも授業の提供自体ができないことでしょう。ネットにつながったとしても、通信状態が不安定な状況では、音声や画像が途切れ途切れとなり、授業に集中できないということもあります。

また、ネットやPC操作などに不慣れな受講者の場合、授業内容よりも、その操作のほうに気を取られ、存分な成果をあげることが難しいというケースもあるでしょう。この場合は、受講者に別のサポートが必要になります。

さらに、今回のコロナ禍で否応なしにオンライン授業を経験した人々からは「意外と疲れる」という声が多く聞かれたことも無視できません。始終監視されているようだ、集中力が続かない、会話にタイムラグが生じる、発話するタイミングが難しいなど、要因はさまざまですが、充分な成果をあげるためには、こういった面にも配慮する必要がありそうです。

 

リモート授業をスムーズに行うポイントは?

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さて、リモート授業のメリット、デメリットを押さえたところで、では、どのようなことに気をつけたら、社員によりよい日本語研修を提供することができるのか、具体的に考えてみましょう。

 

事前にネット環境の確認を

ネットを通じて行う授業なので、受講者のネット環境が十分整っているか、使用デバイスは何かなど、事前に確認を必ず行いましょう。音声や画像のやりとりがスムーズにできるかをテストした上で授業を始めると安心です。

 

対面授業とは異なるということを意識する

対面授業で行うことをそのまま、オンラインで行おうとするのはNGです。授業全体の構成を考える場合、講義を聞く、講師とインタラクティブなやりとりを行う、4、5人に分かれてグループワークをするなど、受講者が取り組む課題にメリハリをつけることが大切です。

 

集中力が保てる時間管理を

大学などの講義では90分間、休憩なしということもありますが、オンライン授業は、意外と集中力を持続させるのが難しいという声が多く聞かれます。1レッスン5060分程度が適度ではないかという人が多いようです。

 

非同期型研修をうまく組み合わせる

全ての研修を同期型で行う必要はありません。例えば、同期型研修は週に1回行い、その間は非同期型のeラーニングで課題に取り組んで提出するなど、ブレンディッド・ラーニングの考えを取り入れた実施方法も考えられます。なお、eラーニングは自主性に任される面があるため、きめ細かくサポートを行うことが持続させるポイントになります。

 

 

まとめ

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オンライン授業は加速度的に需要が高まっており、それにともなって利用できるオンライン上のツールやサービスも、日々、新しいものが登場しています。ただ、研修提供側としては、新しいから取り入れるのではなく、その利点や特長を存分に理解した上で活用することが大切でしょう。なお、企業の研修担当者も授業に使用するツールについて、存分に理解して使いこなせるようにしておくことは言うまでもありません。

 

 

執筆者:青山美佳
フリーランスライター・編集者 
成城大学文芸学部マスコミュニケーション学科卒。
主に、外国人の日本語学習、言葉とコミュニケーションにかかわる分野を中心に、日本語能力試験の問題作成・テキストの執筆、取材・記事執筆、編集・校正、文章添削などを行う。

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