ビジネス英語研修と聞いて、構えてしまう社員たち。しかし、ビジネス英語といえども中学英語の基礎がベースとなります。社員たちに中学英語の知識で、堂々とビジネス会話をしてもらえるよう、ビジネス英語研修でどのように誘導していったら良いでしょうか。

 

まずは英語の基礎力アップが重要!

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義務教育では、英語に限らずすべての科目において、中学までに最低限必要なことを学べるようなカリキュラムが組まれています。大人になってから中学の教科書を手に取ってみると、思いのほか、多くの情報が盛り込まれていることを再認識される方も多いでしょう。中学の教科書をすべてマスターすれば、相当な知識が身につくといえます。

中学で習う英語は、不定詞、関係代名詞、比較級・最上級、完了形など、基本的な事項をほぼカバーしています。一方、高校になると、仮定法や分詞構文、関係副詞などが加わります。もちろんこれらも重要な知識ですが、まずは中学英語を固めることが先決です。

今さら中学英語なんて、などと侮るなかれ。知識には意外に穴があるものです。穴が空いたまま放っておいてひたすら先に進もうとしても、どこかで挫折をしてしまいます。まずは丁寧にその穴を一つ一つ埋めていくことが、英語の基礎力アップにつながります。

 

中学英語に基づいたビジネス英語

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ビジネス英語研修と聞くと、学生時代に学んだことのない新しい分野を一から勉強するのではないかと身構えてしまいます。もちろんビジネスにつきものの英語表現や特定のルールなどもありますが、それ以外はビジネス英語といえどもそれほど難しい英語を駆使しなければならないわけではありません。日本語でのビジネスコミュニケーションにおいても、ビジネス用語や敬語などの注意点はあるものの、決して格調高い日本語力が求められるわけではありませんね。

文法を中学の範囲に限定すると、多くはすでに頭の中に入っている(あるいはおぼろげに記憶されている)ものなので、企業の英語研修で学ぶ側は精神的ハードルが下がり、脱落者の抑制にもつながるでしょう。最初から高いハードルを課して挫折の経験をさせるよりも、低いハードルから徐々に慣れさせて成功体験を積ませるのが、研修を行う上でも効果的です。

 

最低限クリアすべきは中学英語

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ビジネスの専門用語は別として、文法面では本当に中学で学んだ英語の知識だけで、英語によるビジネス会話は成立するのでしょうか。これはイエスともノーとも言えます。実際のやりとりでは、相手が言うことを理解するのに、幅広い文法の知識が必要になることもあるでしょう。相手が中学英語の範囲内で話してくれる保証はありません。しかし、自分が話すときは何も難しい言い回しを披露しなくても、中学英語で言いたいことをしっかり伝えれば、それで事足ります。つまり、中学レベルの英語でビジネスは完璧、とまではいかないものの、最低限クリアすべきは中学英語だということです。

よく、「これだけ知っていれば海外旅行は大丈夫」といったうたい文句で、使う英語の数を極端に限定して紹介する本がありますが、これは最小のインプットで最大のアウトプットを目指すという効率の良さがウリです。一方、今回お話ししている「中学英語でビジネス会話」というのは、これとは意味がやや異なります。言うならば、厳選したインプットで最大のアウトプットを目指すということです。家を建てる前に地盤をしっかり固めましょうという考え方です。

 

企業の研修担当者側の注意点

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中学英語に基づいたビジネス英語の研修となると、まずはその意義の説明が重要です。参加者が‘低いレベルの研修’という印象を持ってしまうと、モチベーションが下がってしまいます。中学英語の意義を説明するには、最初に本当に中学英語をマスターしているのかどうか、参加者に中学英語の知識を質問してみるとよいでしょう。案外答えられないことも多いはずなので、そこで初めて知識の穴に気づき、基礎の大切さを再認識すると思います。

また、中学英語でビジネス会話のかなりの部分をカバーできることがわかれば、基礎固めがむしろ近道につながるということも理解してもらえるはずです。同じことを表現するのにも、文法的にこねくり回すのではなく、中学英語でシンプルに表現するほうが失敗も少なく、学習もしやすいのは言うまでもありません。英語研修参加者には、この点を強調して理解してもらいましょう。

 

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執筆者:森 弘之(もり ひろゆき)
AllAbout日常英会話ガイド 
担当テーマ:日常英会話東京都立大学  教授(理学博士)  

 英会話への第一歩は英会話学校通い。学部生時代には大学を休学し、米国へ語学留学。その後も米国の大学に研究員として2年間在籍。仕事の性格上、海外の研究者らとの交流も多く、コミュニケーションの道具としての英語の重要性を痛感する毎日。日本人の英会話力の欠如は、国際的な学会、研究会でも際立っていることに憂慮しており、その理由にも高い関心を持っている。


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