企業の英語研修を成功させるためには、「社員の英語力をアップさせる」という具体性のない目標でやみくもに語学研修を始めるのではなく、個々に明確な目標を設定し、それを段階的にクリアしていくような仕組みを構築する必要があります。この目標の「見える化」は社員のモチベーションアップにも効果抜群なんです。

 

英語研修のKPIとは?

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KPI(Key Performance Indicate)は、マーケティングや営業、マネージメントの分野で使われる用語で、「ケーピーアイ」と読みます。日本語では「重要経営指標」「重要業績指標」などと訳されます。

目標値に対する現在の状況を示す指標として扱われており、例えば、あるプロジェクトや事業が具体的にどれほどの効果を上げているかをデータで計測するのです。

何となくうまくいっている、何となくうまくいっていない、という感覚的なものではなく、具体的な目標を設定し、そこに到達する経緯を明確な数字、データの指標をもって把握、その目標に対して現在どこにいて、どのような状況か、さらには目標を達成するためには、いま、もしくは今後何をすべきかを構築していくというデータトリブン的な考え方をいいます。(データトリブン:収集したデータの分析結果をもとにアクションを起こすこと

このKPIという指標を、英語研修に当てはめ、「見える化」することは、実際に社員の英語力を向上させ、本人にやる気を持たせる上で欠かせない視点、かつ要素であるでしょう。

 

KPIの考え方で英語研修を設計する

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「英語が出来る人材育成をする」という目標を立てるとき、KPI的な考え方、つまり具体的な「指標」を持つことが大切です。具体的な目標とは、具体的な「数字」を持つことを意味します。

そのためには、測りうる結果を計測するツールが必要となります。例えば、英語力があるとは、具体的にはどういう状態なのか? 例えば、TOEIC®800点以上をとっている、ということであると定義することにより、具体的な数字による目標設定が可能となります。そうすると、英語力がある社員を育成する、とは、TOEIC®800点代の社員を60%にする、という具体的な目標を設定することが可能になります。

次に大事なのは、目標に対して現状がどのような状況にあるかを具体的に数字で計測する指標と仕組みとなります。

TOEIC®を例にとれば、社員の現状がTOEIC®テストの平均が420点だとすると、目標の800点までのギャップ380点を上げることが今後の課題となってきます。しかしながら、一口に、TOEIC®380点アップさせるといっても、社員一人一人の英語力は様々です。ある社員は読み書きができても、スピーキング、リスニングが極端に弱いということがあるかも知れず、またある社員は、語彙力も含めて、基礎的な英語力がほぼないということもあるかもしれません。社員によって、英語の得手不得手は異なります。必ずしも一つの学習法がすべての人に当てはまり、効果的であるとは限らないのです。

では、そういった多岐にわたる社員個々の課題を抽出し、かつそれぞれの課題を克服するためのソリューションを提供するにはどのようにすればよいでしょうか?

 

ツールでKPIを見える化

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KPIは、データドリブンな考え方に基づくと申し上げました。その点、英語研修にKPIを導入することは、データを取得できるツールが必要であることを意味します。では、具体的には、どのようなツールがあるのでしょうか?

現在では、AIなどを活用した学習データをビッグデータとして捉え、収集しながら、英語研修・英語学習のサポートをするLMSLearning Management System)のシステムやアプリケーションが多数開発されていますし、社員個々の現状の英語力を測定するためのアセスメント、いわゆる英語テストも多数開発されています。例えば、TOEIC®CASEC、あるいはスピーキングに特化したVersant®や、GBCGlobal Business Communication)などが企業の英語アセスメントとしてよく使われています。

 また、今ではAIを使ったLMSやアプリケーションがあり、これを使うことにより、目標に対する自分の現状を研修担当者と共有、また目標までに何をすれば効果的にゴールに到達できるか? などの指南も自動的に受講者に段階的に提示することが技術的に可能になってきています。このように、段階的にシステマティックにアプリケーションによって研修受講生は自ら学ぶ指標を得、モチベーションを維持、またアップすることが可能になります。

また、これらの英語学習システムやアプリケーションを活用することにより、研修担当者は、瞬時に社員全体のデータによる学習状況を把握し、それぞれの現状の課題について即応することが可能になります。KPI×テクノロジーの活用は今後の語学研修のキーワードともいえるものです。社内英語研修において最大限の成果を上げるためにも、こういったデータで学習状況を把握できるシステムは、KPI的な手法で明確かつ具体的な目標を達成する指標となるでしょう。

企業の英語研修にも是非、KPI的な思考を取り入れ、「見える化」することで、より効果的な英語研修を実施してみてはいかがでしょうか?

 

 

竹村和浩様_写真_掲載用

執筆者:竹村 和浩(たけむら かずひろ)
AllAboutビジネス英会話ガイド 担当テーマ:ビジネス英会話 
英語発音矯正士 ビジネス・ブレークスルー大学 英語専任講師 
英語通訳案内士/英語発音矯正とビジネス英語が専門。
㈱Universal Education代表取締役。   

 

日本人はなぜ、英語が苦手なのか?その原因が、正確な英語の音の未習得にあることを25年前に発見し、独自の音声指導法、EVT: English Voice Trainingを開発。英語発音矯正の草分け/第一人者として、音素トレーニングを中心とした発音矯正で日本人の英語スピーキング力の向上に尽力している。RMS:リクルートマネジメントスクール受講者満足度No.1講師。

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