企業の英語研修における3つのポイント

 

企業が英語研修サービスを探す場合、多くの企業では次の点がキーポイントとされています。


・費用(ローコスト・ハイパフォーマンス)
・明確に効果が顕れるかどうか
・維持管理の容易さ


言い換えれば、製品(サービス)が安く高性能で、メリットがはっきり見えて、維持管理が簡単である―ということになりますが、これは工業製品を製造・販売する哲学ともいえます。

工業製品は、素材物質が加工・処理・組立されたものですが、英語研修は教育プログラムなので、学習対象である「言葉の技能」、そしてそれを学ぶ「学習者」という「人」的要素がすべての過程で深くかかわってきます。そのため英語の学習は単に「語彙の暗記」+「文法のマスター」という公式が成立しません。

 

言語の運用に必要な5つのスキル


言語の運用能力は、


1.語彙・表現・文の知識
2.文法の十分な運用力
3.ノンネーティブとして通常の速度で、顔の筋肉、舌の運動、発音のコーディネーションを行える習熟度
4.ナチュラルスピードで音から意味に至る神経回路の発達
5.ナチュラルスピードで語順通りに理解できる処理回路(短期メモリー)の発達


という5つの基本技能が下地として必要になります。「限定的な領域であればビジネスシーンで英語でそこそこコミュニケーションできる」というレベルを100とすると(英検準1級程度)、平均的な高校生卒業レベルは、1と2が30程度ではないかと思われます。TOEIC L&R500点の大人の場合、1と2が30~40、3は30、4は20前後、5は20も行かないのではないでしょうか(個人的経験則で客観性はありません)。

グローバル人材育成に必要なプラスアルファのスキル

 

現在グローバル人材育成ということが盛んに言われていますが、こうした人材を育成する場合、上記の5技能を100に近づけると同時に、


6.会話力(スモールトーク力、説明・質問・確認力、賛同・反対、会議での発言力)
7.会議などでのファシリテーション力(場をコントロールする技術)
8.プレゼンテーション能力
9.交渉力(相手を動かす表現力)
10.メールなどの文書発信力(スピードと正確さが重要)
11.速読力(大量に読んで情報を整理収集する力)
12.英語の敬語法
13.異文化の理解と配慮


というビジネススキルが求められるのです。しかも6~12のスキルは、一定量の人的介在(インストラクターや講師)による筋トレ型訓練が必要となります。


企業が英語研修を選ぶ前に明確にしておきたいこと

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英語研修を選ぶ場合、まずこうした枠組みの中で自分のニーズはどの位置にあり、どのような人をどのレベルからどのレベルへと伸ばすのか、ということを明確に定義しておかなければなりません。つまり①人(職種や動機づけレベル)、②対象となる技能、③現在のレベルから到達目標レベルという3点です。

例えば「TOEIC L&R500点の技術者の1から5までの技能を平均60程度に上げ、かつ6の技能を60程度に上げ、1213も一通り身に付けされる」というようなスキームを定義することです。

 

次に重要になるのは、可能な学習時間と期間、そして予算です。時間と予算の資源量は到達目標達成の度合いとかなり連動しますが(動機や管理が不十分だと効果は出ない)、資源があまりない場合は、可能な領域を一部eラーニングで置き換えたり、自習課題を増やす(その代わり管理と動機維持体制が必要)という考え方をします。

また注意しなければならないのは、7~12の技能を伸ばすためには、1~5までの技能において一定レベルなければなりません。こうした基礎力なしには7~12だけを導入しても効果は期待できないでしょう。


こうした点を考慮した上で、「A社のXXXというサービスは技能130のレベルの人に効果があるが、動機の弱い人には不向きである」ので「B社のYYYというサービスを下地にC社のZZZを導入し、技能10ではA社のQQQというサービスで補おう」という考え方をする必要があります。

英語研修サービスではしばしば美辞麗句が売り文句として使われますが、「それを実施するだけで万人に大きな効果がある」サービスなど存在しません。工業製品なら「1分に3個製造できる機械のスピードを倍速化できれば1分で6個できる」という計算が可能ですが人間も言語も工業製品ではないため、こうした考え方はできないのです。

企業が英語研修サービスを探す前には、①上記のようなスキーム分析を行った上で、②各社のサービスの特徴を分析し(どの技能のどのレベルのどういう人に効果があり、どのような管理が必要か)、③自社の時間・費用資源を踏まえ、④のスキーム上に落とし込むという作業が不可欠なのです。

 

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